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水質基準とは

 水道法第4条に基づく水質基準が10年ぶりに大幅に改正され、平成16年4月1日から施行されました。今回の改正では、旧水質基準46項目のうち、大腸菌群、有機物(過マンガン酸カリウム消費量)など9項目が除外され、大腸菌、全有機炭素、アルミニウムなど13項目が追加され、50項目となりました。
 また、水質基準を補完する項目として設定されていた「快適水質項目」や「監視項目」を廃止し、「水質管理目標設定項目」(27項目)、「要検討項目」(40項目)が導入されました。


水質基準項目(50項目)
 法令で基準値が定められ、検査が義務づけられている項目です。


○水質管理目標設定項目(27項目)
 現在まで水道水中では水質基準とする必要があるような濃度で検出されていませんが、今後、水道水中で検出される可能性があるものなど、水質管理上必要とされる項目です。


○要検討項目
 毒性評価が定まらない、または水道水中での検出実態が明らかでないなど、水質基準や水質管理目標設定項目に分類できなかったもので、今後、必要な情報・知見の収集に努めていくべき項目です。


項目 基準値 区分 説明 主な使われ方
1 一般細菌 100個/mL以下 病原生物の
代替指標
水の一般的清浄度を示す指標であり、平常時は水道水中には極めて少ないですが、これが著しく増加した場合には病原生物に汚染されている疑いがあります。  
2 大腸菌 検出されないこと 人や動物の腸管内や土壌に存在しています。水道水中に検出された場合には病原生物に汚染されている疑いがあります。  
3 カドミウム及びその化合物 0.01mg/L以下 無機物
・重金属
鉱山排水や工場排水などから河川水などに混入することがあります。イタイイタイ病の原因物質として知られています。 電池、メッキ、顔料
4 水銀及びその化合物 0.0005mg/L以下 水銀鉱床などの地帯を流れる河川や、工場排水、農薬、下水などの混入によって河川水などで検出されることがあります。有機水銀化合物は水俣病の原因物質として知られています。 温度計、歯科材料、蛍光灯
5 セレン及びその化合物 0.01mg/L以下 鉱山排水や工場排水などの混入によって河川水などで検出されることがあります。 半導体材料、顔料、薬剤
6 鉛及びその化合物 0.01mg/L以下 鉱山排水や工場排水などの混入によって河川水などで検出されることがあります。水道水中には含まれていませんが鉛管を使用している場合に検出されることがあります。 鉛管、蓄電池、活字、ハンダ
7 ヒ素及びその化合物 0.01mg/L以下 地質の影響、鉱泉、鉱山排水、工場排水などの混入によって河川水などで検出されることがあります。 合金、半導体材料
8 六価クロム化合物 0.05mg/L以下 鉱山排水や工場排水などの混入によって河川水などで検出されることがあります。 メッキ
9 シアン化物イオン及び塩化シアン 0.01mg/L以下 工場排水などの混入によって河川水などで検出されることがあります。シアン化カリウムは青酸カリとして知られています。 害虫駆除剤、メッキ
10 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 10mg/L以下 窒素肥料、腐敗した動植物、生活排水、下水などの混入によって河川水などで検出されます。高濃度に含まれると幼児にメトヘモグロビン血症(チアノーゼ症)を起こすことがあります。水、土壌中で硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、アンモニア態窒素に変化します。 無機肥料、火薬、発色剤
11 フッ素及びその化合物 0.8mg/L以下 主として地質や工場排水などの混入によって河川水などで検出されます。適量摂取は虫歯の予防効果があるとされていますが、高濃度に含まれると斑状歯の症状が現れることがあります。 フロンガス製造、表面処理剤
12 ホウ素及びその化合物 1.0mg/L以下 火山地帯の地下水や温泉、ホウ素を使用している工場からの排水などの混入によって河川水などで検出されることがあります。 表面処理剤、ガラス、エナメル工業、陶器、ホウロウ
13 四塩化炭素 0.002mg/L以下 一般有機物 化学合成原料、溶剤、金属の脱脂剤、塗料、ドライクリーニングなどに使用され、地下水汚染物質として知られています。 フロンガス原料、ワックス、樹脂原料
14 1,4-ジオキサン 0.05mg/L以下 洗浄剤、合成皮革用溶剤
15 1,1-ジクロロエチレン 0.02mg/L以下 ポリビニリデン原料
16 シス-1,2-ジクロロエチレン 0.04mg/L以下 溶剤、香料、ラッカー
17 ジクロロメタン 0.02mg/L以下 殺虫剤、塗料、ニス
18 テトラクロロエチレン 0.01mg/L以下 ドライクリーニング
19 トリクロロエチレン 0.03mg/L以下 溶剤、脱脂剤
20 ベンゼン 0.01mg/L以下 染料、合成ゴム、有機顔料
21 クロロ酢酸 0.02mg/L以下 消毒
副生成物
原水中の一部の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成されます。  
22 クロロホルム 0.06mg/L以下  
23 ジクロロ酢酸 0.04mg/L以下  
24 ジブロモクロロメタン 0.1mg/L以下  
25 臭素酸 0.01mg/L以下 原水中の臭素が高度浄水処理のオゾンと反応して生成されます。 毛髪のコールドウエーブ用薬品
26 総トリハロメタン 0.1mg/L以下 クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムの合計を総トリハロメタンといいます。  
27 トリクロロ酢酸 0.2mg/L以下 原水中の一部の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成されます。  
28 ブロモジクロロメタン 0.03mg/L以下  
29 ブロモホルム 0.09mg/L以下  
30 ホルムアルデヒド 0.08mg/L以下  
31 亜鉛及びその化合物 1.0mg/L以下 着色 鉱山排水、工場排水などの混入や亜鉛メッキ鋼管からの溶出に由来して検出されることがあり、高濃度に含まれると白濁の原因となります。 トタン板、合金、乾電池
32 アルミニウム及びその化合物 0.2mg/L以下 工場排水などの混入や、水処理に用いられるアルミニウム系凝集剤に由来して検出されることがあり、高濃度に含まれると白濁の原因となります。 アルマイト製品、電線、ダイカスト、印刷インク
33 鉄及びその化合物 0.3mg/L以下 鉱山排水、工場排水などの混入や鉄管に由来して検出されることがあり、高濃度に含まれると異臭味(カナ気)や、洗濯物などを着色する原因となります。 建築、橋梁、造船
34 銅及びその化合物 1.0mg/L以下 銅山排水、工場排水、農薬などの混入や給水装置などに使用される銅管、真鍮器具などからの溶出に由来して検出されることがあり、高濃度に含まれると洗濯物や水道施設を着色する原因となります。 電線、電池、メッキ、熱交換器
35 ナトリウム及びその化合物 200mg/L以下 工場排水や海水、塩素処理などの水処理に由来し、高濃度に含まれると味覚を損なう原因となります。 苛性ソーダ、石鹸
36 マンガン及びその化合物 0.05mg/L以下 着色 地質からや、鉱山排水、工場排水の混入によって河川水などで検出されることがあり、消毒用の塩素で酸化されると黒色を呈することがあります。 合金、乾電池、ガラス
37 塩化物イオン 200mg/L以下 地質や海水の浸透、下水、家庭排水、工場排水及びし尿などからの混入によって河川水などで検出され、高濃度に含まれると味覚を損なう原因となります。 食塩、塩素ガス
38 カルシウム、マグネシウム等
(硬度)
300mg/L以下 硬度とはカルシウムとマグネシウムの合計量をいい、主として地質によるものです。硬度が低すぎると淡泊でこくのない味がし、高すぎるとしつこい味がします。また、硬度が高いと石鹸の泡立ちを悪くします。 カルシウム:肥料、さらし粉
マグネシウム:合金、電池
39 蒸発残留物 500mg/L以下 水を蒸発させたときに得られる残留物のことで、主な成分はカルシウム、マグネシウム、ケイ酸などの塩類及び有機物です。残留物が多いと苦み、渋みなどを付け、適度に含まれるとまろやかさを出すとされます。  
40 陰イオン界面活性剤 0.2mg/L以下 発泡 生活排水や工場排水などの混入に由来し、高濃度に含まれると泡立ちの原因となります。 合成洗剤
41 ジェオスミン 0.00001mg/L以下 カビ臭 湖沼などで富栄養化現象に伴い発生するアナベナなどの藍藻類によって産生されるカビ臭の原因物質です。  
42 2-メチルイソボルネオール 0.00001mg/L以下 湖沼などで富栄養化現象に伴い発生するフォルミジウムやオシラトリアなどの藍藻類によって産生されるカビ臭の原因物質です。  
43 非イオン界面活性剤 0.02mg/L以下 発泡 生活排水や工場排水などの混入に由来し、高濃度に含まれると泡立ちの原因となります。 合成洗剤、シャンプー
44 フェノール類 0.005mg/L以下 臭気 工場排水などの混入によって河川水などで検出されることがあり、微量であっても異臭味の原因となります。 合成樹脂、繊維、香料、消毒剤、防腐剤の原料
45 有機物
(全有機炭素(TOC)の量)
5mg/L以下 有機物などによる汚れの度合を示し、土壌に起因するほか、し尿、下水、工場排水などの混入によっても増加します。水道水中に多いと渋みをつけます。  
46 pH値 5.8以上8.6以下 基礎的性状 0から14の数値で表され、pH7が中性、7から小さくなるほど酸性が強く、7より大きくなるほどアルカリ性が強くなります。  
47 味 異常でないこと 水の味は、地質又は海水、工場排水、化学薬品などの混入及び藻類など生物の繁殖に伴うもののほか、水道管の内面塗装などに起因することもあります。  
48 臭気 異常でないこと 水の臭気は、藻類など生物の繁殖、工場排水、下水の混入、地質などに伴うもののほか、水道水では使用される管の内面塗装剤などに起因することもあります。  
49 色度 5度以下 水についている色の程度を示すもので、基準値の範囲内であれば無色な水といえます。  
50 濁度 2度以下 水の濁りの程度を示すもので、基準値の範囲内であれば濁りのない透明な水といえます。  
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項目 目標値 区分 説明 主な使われ方
1 アンチモン及びその化合物 0.015mg/L以下 無機物
・重金属
鉱山排水や工場排水などの混入によって河川水などで検出されることがあります。 活字、ベアリング、電極、半導体材料
2 ウラン及びその化合物 0.002mg/L以下
(暫定)
主に地質に由来して地下水などで検出されることがあります。天然に存在する主要な放射性物質の一つです。 原子力発電用核燃料
3 ニッケル及びその化合物 0.01mg/L以下
(暫定)
鉱山排水、工場排水などの混入やニッケルメッキからの溶出によって検出されることがあります。 合金、メッキ、バッテリー
4 亜硝酸態窒素 0.05mg/L以下
(暫定)
生活排水、下水、肥料などに由来する有機性窒素化合物が、水や土壌中で分解される過程でつくられます。 窒素肥料、食品防腐剤
5 1,2-ジクロロエタン 0.004mg/L以下 一般有機物 殺虫剤、有機溶剤として使用される有機化学物質です。 塩化ビニル原料
6 トランス-1,2-ジクロロエチレン 0.04mg/L以下 他の塩素系溶剤の製造工程中に生成する有機化学物質です。 溶剤、香料、ラッカー
7 1,1,2-トリクロロエタン 0.006mg/L以下 油脂、ワックスの溶剤などとして使用される有機化学物質です。 溶剤、脱脂剤
8 トルエン 0.2mg/L以下 染料、有機顔料などの原料です。代表的な有機溶剤で、シンナー、接着剤などに広く使用されます。 香料、火薬、ベンゼン原料
9 フタル酸ジ(2-エチルヘキシル) 0.1mg/L以下 プラスチック添加剤(可塑剤)などとして使用される有機化学物質です。 化粧品、印刷物などの溶剤
10 亜塩素酸 0.6mg/L以下 消毒
副生成物
二酸化塩素の原料又は分解生成物です。二酸化塩素の使用に伴って処理水中に残留するおそれがあります。次亜塩素酸ナトリウムの分解生成物です。 漂白剤
11 塩素酸 0.6mg/L以下 二酸化塩素及び消毒剤の次亜塩素酸ナトリウムの分解生成物です。 除草剤、爆薬
12 二酸化塩素 0.6mg/L以下 消毒剤 浄水処理過程において主に酸化剤として使用されます。 セルロース、紙パルプの漂白剤
13 ジクロロアセトニトリル 0.04mg/L以下
(暫定)
消毒
副生成物
原水中の一部の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成されます。  
14 抱水クロラール 0.03mg/L以下
(暫定)
 
15 農薬類 1以下 農薬 水田、畑などで使われる殺虫剤、除草剤などの農薬を対象とします。各農薬ごとの検出値を各目標値で除した値を合計して、その合計値が1以下であることを確認します。 殺虫剤、除草剤、殺菌剤
16 残留塩素 1mg/L以下 臭気 水道法では、衛生確保のため塩素消毒を行うことが定められています。残留塩素とは、水道水の中に消毒効果のある状態で残っている塩素のことをいいます。  
17 カルシウム、マグネシウム等
(硬度)
10mg/L以上
100mg/L以下
基準項目に同じ。 基準項目に示す。
18 マンガン及びその化合物 0.01mg/L以下 着色 基準項目に同じ。 基準項目に示す。
19 遊離炭酸 20mg/L以下 水中に溶けている炭酸ガスのことで、水にさわやかな感じを与えますが、多いと刺激が強くなります。また、水道施設に対し腐食などの障害を生じる原因となります。  
20 1,1,1-トリクロロエタン 0.3mg/L以下 臭気 工場排水などの混入によって地下水で検出されることがあり、高濃度に含まれると異臭味の原因となります。 脱脂剤、エアゾール
21 メチル-t-ブチルエーテル(MTBE) 0.02mg/L以下 一般有機物 オクタン価向上剤やアンチノック剤としてガソリンに添加される有機化学物質です。 オクタン価向上剤、アンチノック剤、溶剤
22 有機物等
(過マンガン酸カリウム消費量)
3mg/L以下 有機物の指標として基準項目の「有機物」とは別の測定法により求めた量。水中の有機物などの量を一定の条件下で酸化させるのに必要な過マンガン酸カリウムの量として表したものです。  
23 臭気強度 (TON) 3以下 臭気 臭気の強さを定量的に表す方法で、水の臭気がほとんど感知できなくなるまで無臭味水で希釈し、臭気を感じなくなった時の希釈倍数で臭気の強さを示したものです。  
24 蒸発残留物 30mg/L以上
200mg/L以下
基準項目に同じ。  
25 濁度 1度以下  基礎的性状 基準項目に同じ。  
26 pH値 7.5程度 腐食 基準項目に同じ。  
27 腐食性(ランゲリア指数) -1程度以上とし、極力0に近づける 水が金属を腐食させる程度を判定する指標で、数値が負の値で絶対値が大きくなるほど水の腐食傾向は強くなります。  
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項目 目標値
1 銀
2 バリウム 0.7mg/L以下
3 ビスマス
4 モリブデン 0.07mg/L以下
5 アクリルアミド 0.0005mg/L以下
6 アクリル酸
7 17-β-エストラジオール 0.00008mg/L以下(暫定)
8 エチニル-エストラジオール 0.00002mg/L以下(暫定)
9 エチレンジアミン四酢酸(EDTA) 0.5mg/L以下
10 エピクロロヒドリン 0.0004mg/L以下(暫定)
11 塩化ビニル 0.002mg/L以下
12 酢酸ビニル
13 2,4-トルエンジアミン
14 2,6-トルエンジアミン
15 N, N-ジメチルアニリン
16 スチレン 0.02mg/L以下
17 ダイオキシン類 1pg-TEQ/L以下(暫定)
18 トリエチレンテトラミン
19 ノニルフェノール 0.3mg/L以下(暫定)
20 ビスフェノールA 0.1mg/L以下(暫定)
21 ヒドラジン
22 1,2-ブタジエン
23 1,3-ブタジエン
24 フタル酸ジ(n-ブチル) 0.2mg/L以下(暫定)
25 フタル酸ブチルベンジル 0.5mg/L以下(暫定)
26 ミクロキスチン-LR 0.0008mg/L以下(暫定)
27 有機すず化合物 0.0006mg/L以下(暫定)(トリブチルスズオキシド(TBTO))
28 ブロモクロロ酢酸
29 ブロモジクロロ酢酸
30 ジブロモクロロ酢酸
31 ブロモ酢酸
32 ジブロモ酢酸
33 トリブロモ酢酸
34 トリクロロアセトニトリル
35 ブロモクロロアセトニトリル
36 ジブロモアセトニトリル 0.06mg/L以下
37 アセトアルデヒド
38 MX 0.001mg/L以下
39 クロロピクリン
40 キシレン 0.4mg/L以下
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